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金属布と導電布の違い

金属布の優位性

金属布は、金属糸で織った生地であり、基本的に金網です。極細金属糸と専用織機により、厚みが23㎛という世界最薄の金属布が商品化されました。極細金属糸によって織られた金属布には、以下のような優れた性質を持っています。

  • 高遮蔽性能(単層で60dB以上、2層で80dB以上の遮蔽効果 *(周波数により異なる))
  • 低表面抵抗値(約0.003Ω/sq(参考、金属銅板:約0.0005Ω/sq、導電布:約0.05Ω/sq))
  • 柔軟性がある
  • 半田づけ、溶接ができる
  • 経年変化や劣化がしにくい
  • 金属粉が発生しない
  • 透視性が良い
  • 軽量

金属布は金網製造技術の飛躍的革新により繊維布に近い金属金網が実現でき、使用用途は従来の導電布の使用用途をカバーします。最近さらに技術を高め、23μm極薄金属布(リン青銅)や28μm超極薄金属布(ステンレス/クロムメッキ処理)ができるようになり、さらに薄膜化が可能になっています。

純銅2重螺旋 綾織り金属布(160μm) 銅錫メッキスパイラル 平織り金属布(110μm) リン青銅金属単線 平織り金属布(40μm)
純銅2重螺旋
綾織り金属布(160μm)
銅錫メッキスパイラル
平織り金属布(110μm)
リン青銅金属単線
平織り金属布(23μm)

導電布

対して、導電布は繊維布地の表面を処理して金属メッキを施した生地です。基本は繊維布ですから柔軟性、伸張性が特徴ですが、以下のような欠点があります。

  • 低遮蔽性能(単層で30dB程度、2層で50dB程度 *(周波数により異なる))
  • 高表面抵抗(約0.05Ω/sq程度)
  • 経年変化や劣化がある
  • 金属粉が発生する
  • 透視性が悪い

導電布は、従来の金網技術を繊維布で実現させた商品ですが、可動部分での使用は経年変化や劣化(メッキの剥げ)により金属粉が発生してしまう事が最大の欠点となります。当然、電磁遮蔽性能も経年変化や劣化に伴い低下していきます。
導電布は、メッシュ構造に織られた布に金属メッキ処理を施す結果、目地がつぶれ、透視性が悪く(殆ど見えない)なります。また構造上、糸の交点の接触部分にはメッキ出来ない為、表面での金属化だといえます。


金属布 vs 導電布の比較表(調査時期:2009年7月)

金属布導電布に比べて表面抵抗が低く(1ケタ低い)電磁遮蔽性能に優れて(30dB以上の差)おり、経年変化や劣化が殆どなく、金属粉を出しません。また透視性がよく、半田づけや溶接ができますので鋼板との接続も容易で確実です。

項目 金属布(1層) 導電布(1層) 金属箔
(銅箔 30μm)
遮蔽性能
(@1GHz)
60dB以上 30dB以上 60dB以上
表面抵抗値
(Ω/sq)
0.003 0.05 0.0005
劣化 殆どない 劣化する 錆びる
(防錆処理要)
金属粉 発生しない 発生する 発生しない
軽量性
柔軟性 ×
透視性 × ×
厚み 40㎛
(15~160㎛)
50㎛
(50~200㎛)
30㎛
(薄膜可能)
伸張性 ×
半田づけ ×
溶接 ×